一般社団法人大学寄附遺贈協会は、国立大学法人徳島大学との遺贈寄付に関する連携協定を締結いたしました。
当法人代表挨拶
本日は、徳島大学と一般社団法人大学寄附遺贈協会との連携協定締結にあたり、このような厳粛かつ温かい場にお招きいただき、誠にありがとうございます。
協会を代表し、心より御礼申し上げます。
最初に、徳島大学の皆様に深い敬意を表したいと存じます。
貴学は長年にわたり、四国という地域の枠を越えて、全国的に見ても高い水準の教育・研究活動を展開されてこられました。とりわけ医歯薬連携や先端医療分野における取り組み、さらには地域創生に向けた学際的な研究と実践は、まさに「地域に根ざし、世界に拓かれた大学」としての真価を示しておられます。
しかしながら、国立大学が2004年に法人化されて以来、各大学が置かれている環境は大きく変化いたしました。運営費交付金は毎年のように減額され、大学自らが経営資源を確保し、教育研究を維持・発展させていくことが求められる時代に入っております。
この20年で国からの運営費交付金は1割以上削減されており、かつてのような「国に頼る運営」はすでに成り立たなくなっているのが現実です。
とりわけ、研究費の確保や若手研究者への支援、施設の老朽化への対応など、目に見えにくいけれど極めて本質的な課題が、各大学の前に立ちはだかっています。
このような厳しい状況において、民間からの支援――すなわち寄附・遺贈による支えが、これまで以上に重要な意味を持つようになりました。
私ども大学寄附遺贈協会は、「想いを未来へ、知をつなぐ」ことを使命に、寄附者の方々と大学を結び、その志を確かなかたちで次世代へ届けるお手伝いをしております。
現金に限らず、不動産、有価証券、美術品といった多様な資産の寄附・遺贈が増加する中、大学側には受け入れ体制や専門的な判断が求められます。そうした課題に対して、法務・税務・不動産の各専門家が集う協会として、私たちは大学の信頼あるパートナーとして機能できるよう努めております。
本日、徳島大学との間で連携協定を結ぶことにより、貴学における寄附・遺贈の推進体制がさらに強化され、多くの想いが「徳島大学の未来」へと確かに届くことを、心から期待しております。
加えて、寄附・遺贈は、単なる財政支援ではありません。
そこには「人と大学との深い絆」があります。
ある方は、かつて自らが学んだ母校への感謝を。ある方は、地域を支える知の拠点への希望を。ある方は、愛する家族を失った後に、社会への恩返しを。
そうした一つひとつの想いが、教育や研究というかたちとなって、何十年にもわたって社会に息づいていくのです。
本日の協定締結は、まさにその「想いの橋渡し」を、徳島大学とともに進めていくことを宣言するものであります。
今後、大学と寄附者とがより深くつながり、地域や社会、そして未来の若者たちのために、かけがえのない価値を生み出していけるよう、協会としても誠心誠意、支援してまいります。
結びに、徳島大学のますますのご発展を心より祈念し、ご列席の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
令和7年4月11日
一般社団法人大学寄附遺贈協会
代表理事 田中耕司
